Thursday, August 27, 2015

”第3の場所”を職場にも



「第3の場所」(サードプレイス)をご存知でしょうか?

第1の場所=自宅、生活を営む場所
第2の場所=職場、その人が最も長く時間を過ごす場所

これらの場所に対して

第3の場所=自宅や職場から離れた交流をもたらす場所

を表しています。

アメリカの社会学者レイ・オルデンバーグが25年前に発表した言葉ですが、その言葉を知らなくてもカフェや飲み屋、公園などを多くの人が「第3の場所」として活用しています。



Steelcase360 69号では彼のインタビューが掲載されています。

ここ25年間で「第3の場所」で最も驚いたことは何ですか?

という質問に対して、彼はこのように語っています。
最も驚かせたことは企業が関心を示したことです。
企業はかつて、デスクに社員が長い時間向かっていればいるほど、より生産性が上がると信じていました。
それが打ち砕かれたのです。
経営幹部たちは社員が望む場所で、望む時間に働くことで生産性が上がるということに気づいたのです。

 その言葉を裏付けるようにGoogle社は最近、カリフォルニア州マウンテンビューにある自社キャンパス内にカフェをオープンしました。




ワークプレイスコンサルタント会社のFlex + Strategy社によると、米国の正社員の31%が仕事の大部分をオフィス以外の場所で行っていると言います。
今日、スターバックスなどのカフェが現代版「第3の場所」を提供していると言えるでしょう。
しかし、セキュリティや他のワーカーとのコミュニケーションの面などで問題があり、結局はオフィスがいいというワーカーも多くいます。




では、オフィスに求められる「第3の場所」とはどういったものでしょうか?

美味しいコーヒー、健康的で栄養豊かなフードはもちろん、テクノロジーへの対応が求められます。
電源とWifiの設置や、情報を共有し皆で検討するためのディスプレイとホワイトボード。
そして人を魅了し活力を与える格好いいクールな雰囲気が必須となります。




フロリダ州立大学インテリアデザイン学部のLisa Waxman教授の調査では、人々がカフェに望むものは以下の5つになります。
  • 清潔さ
  • アロマ
  • 適切な照明
  • 快適な家具
  • 外の景色が見えること
これらの要素が相まって情緒的な愛着心を生み出し、「雰囲気」という漠然とした概念を形成させるのです。




Steelcaseの調査ではワーカーの49%が再充電し活力を回復し、リフレッシュできる「場」がないと答えています。
これは問題です。
長時間労働と重圧を強いられるワーカーが燃え尽きることがないようにするためにはそうした場所は不可欠なのです。

あなたの会社はいかがですか?



今回の記事について詳しくは以下のリンクをご覧ください。

サードプレイス(Wikipedia)

Q + A レイ・オールデンバーグ

本当の仕事を支える

Thursday, August 20, 2015

Neocon2015レポート その6

今回はSteelcaseのブランドの1つであるCoalesseとTurnstoneのエリアについてご紹介します。



Coalesseは家やカフェの快適さをうまくオフィスに取り入れるブランドです。


今回のNeoconでも"Residential feel"(家庭の雰囲気をオフィスに持ち込む)がトレンドになっており、Coalesseのブースも上手にそれを表現したものとなっていました。



今回のショールームで特に注目を集めたのが、<5_MY Chair、Massaud Conference Seating Collection、CO collectionでした。


<5_MY Chair は本体の重さが5ポンド以下なのに、300ポンド(約135kg)の人も支えられる軽い椅子です。



Massaud Conference Seating CollectionはMassaudシリーズの新作でゆったりと会議ができるのが特徴です。

頭のわきのウィング部分から音楽を流して集中を促すコンセプトモデルもありました。


CO collectionは未発売のシリーズですが、その出来栄えに質問が殺到したそうです。
発売が楽しみですね。






もう1つのSteelcaseブランドTurnstoneはスタートアップやカジュアルなオフィス向けの家具を得意とします。
こちらではBiviのカスタマイズ版が展示されていました。




Biviは 組替や増席が簡単にでき、組み合わせによってデスクだけでなくソファや自転車フックなどが取り付けられます。
そのBiviに高さ違い天板やカラーリングを施したのが展示品です。




1つの島でソファ、デスク、ハイカウンターを兼ねています。

これは1人の人がいろいろな役割を担うスタートアップ企業で、その日の仕事によってスタイルを変えられる、というモデルを表しています。 




Thursday, August 13, 2015

Neocon2015レポート その5

今回はSteelcase教育関連ショールームと健康関連ショールームについてお伝えします。



まずは、Steelcase教育関連ショールーム。
近年Steelcaseの家具はオフィスだけでなく大学など教育関連施設にも多数導入されています。



前回ご紹介したBrodyも教育関連でNeocon金賞を受賞しています。
背景は「リズムを作って学習しよう」というメッセージ。
Brodyはオフィスだけでなく、勉強の場でも集中を促します。



立上げコンセントであるThreadもNeocon銀賞を受賞しました。


写真はNode(収納付イス)とVerb(可動テーブル)の中央からThreadを出して配線が簡単になる仕掛けです。
アメリカでは古いビルをリノベーションしてオフィスにすることが多いため、配線がきれいにできる家具はとても重宝されます。


日本のオフィスでもセミナーなどで自由に席を動かしてグループワークをすることと、かがむことなく電源を確保することが、こんなにすっきりとしたデザインで両立できたら素敵ですね。




次は、Steelcase健康関連ショールーム。


WSIではご紹介する機会は少ないですが、Steelcaseでは病院や介護施設など健康関連施設に向いた商品も持っています。


患者とその家族が快適に過ごせるように工夫されたカフェエリアは、モニターやソファ下からの配線があります。


半透明の緩やかな仕切りなどプライバシーも考慮しつつ人がいることもわかる仕掛けは、病院のみならずオフィスにも取り入れたいアイディアですね。



Thursday, August 06, 2015

Neocon2015レポート その4


Steelcaseメインショールームで目立っていたのは新商品のBrodyとOlogyです。





Brodyは以前もご紹介しましたが、調整可能な座席に配線、小テーブル、鞄置き、足台などを付けたもの。


スクリーンがついているセッティングなら集中席になり、スクリーンがないセッティングなら立ち寄って素早く仕事ができるノマドシートになります。


コンセプトモデルとして耳元にスピーカーを付けて周囲の音を気にならなくする、シートヒーターで温める、利用中かどうかがわかるように小さくライトがつくものもありました。


こちらは2人で打ち合わせをするためのセッティング。
大きな会議室を2人では利用しづらいがちょうどいいスペースがない、そんなオフィスにおすすめなセッティングです。






Ologyは上下昇降デスク。
体格の違うワーカーや姿勢の変更の重要性など、ワーカーのウェルビーイングを考えると、これからのオフィスは上下昇降デスクは必須アイテムとなります。




Ologyは他のスチールケース製品と同じアクセサリを付けることができ、オフィスデザインの統一感にも貢献します。







コンセプトモデルのDivisio Screenです。
 


スクリーンに使用中だとランプがつき、フリーアドレスで素早く席を探すことができます。
また、次のミーティングや休憩の勧めなどメッセージも表示されます。


自立式のパネルに表示される仕掛けもありました。
こちらはミーティングスペースなので予約状況を表示していました。